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システムエンジニアの年収相場【2026年】|512万〜904万に開く理由と、上流工程が分ける年収

最終更新日:  / 著者:Direct type編集部  / 監修:中嶋 千博(キャリアアドバイザー)

この記事の要点

  • ・システムエンジニアの求人提示年収は平均708万円(下限512万円〜上限904万円)
  • ・25〜29歳→30〜34歳の伸びが最大(月6万2,100円)。45歳以降は年数だけでは上がりにくくなる
  • ・差を生むのは技術ではなく担当する工程。上流に関わるかどうか
  • ・プロジェクトマネージャーへの移行で+157.5万円。ただし肩書きより担う責任が重要
  • ・注意:本記事の数値は企業が求人票で提示している金額であり、実際に支払われている額の平均ではありません

システムエンジニアは、顧客の業務課題を要件に落とし、設計から開発・運用までを担う職種です。ただし実際の担当範囲は所属先によって大きく異なり、要件定義から関わる人もいれば、詳細設計以降だけを担当する人もいます。求人提示年収は下限512万円から上限904万円まで1.77倍の開きがあります。

1. システムエンジニアの求人提示年収

Direct type独自調査では、システムエンジニアの求人提示年収は下限512万円・平均708万円・上限904万円です。これは在職者がもらっている額の平均ではなく、今この瞬間に企業が求人票で提示している金額を示しています。

512 下限
708 平均
904 上限
4001,150

単位:万円/グレー部分は他職種が到達しているレンジ

出典:Direct type独自調査「2026年上半期 ITエンジニア職種別 求人提示年収」(typeブランドが保有するITエンジニア求人データ数万件規模を独自集計/2026年6月調べ)。求人票の提示中央値の下限・上限を算出。

表1:システムエンジニアと近接職種の求人提示年収(単位:万円)
職種平均下限上限レンジ幅
システムエンジニア708512904392
プロジェクトマネージャー865.56361,095459
プロジェクトリーダー760.5587934347
バックエンドエンジニア7845041,064560

注目すべきは下限の差です。システムエンジニアの下限512万円に対し、プロジェクトリーダーは587万円、プロジェクトマネージャーは636万円。上流の役割を担う職種ほど、下限そのものが高くなっています。つまり上流へ移ることは、同じレンジの中で上を目指すのではなく、レンジ自体を移すことを意味します。

2. システムエンジニアの年収は年代でどう動くか

システムエンジニアを含む情報通信業では、25〜29歳から30〜34歳にかけての伸びが最大(月6万2,100円)です。一方、45〜49歳から50〜54歳の伸びは月1万700円まで鈍化します。年数を重ねるだけでは上がらなくなる時期があります。

表2:情報通信業の年齢階級別 所定内給与額(令和6年・男女計・月額)
年齢階級 所定内給与額(月額) 前の階級からの伸び
20〜24歳24万9,100円—
25〜29歳28万7,700円+3万8,600円
30〜34歳34万9,800円+6万2,100円
35〜39歳39万900円+4万1,100円
40〜44歳43万9,500円+4万8,600円
45〜49歳47万4,500円+3万5,000円
50〜54歳48万5,200円+1万700円
55〜59歳52万500円+3万5,300円

出典:厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」第5-1表(情報通信業・男女計)。所定内給与額は残業代等を含まない6月分の月額であり、年収ではありません。また情報通信業全体の数値で、システムエンジニアに限定したものではありません。

25〜29歳から30〜34歳への伸びが最大です(月6万2,100円)。実務3〜5年で、担当領域を一人で任せられる水準に達する人が多く、市場価値が上がりやすい時期にあたります。一方、45〜49歳から50〜54歳の伸びは月1万700円まで鈍化します。この時期に差がつくのは、役割が変わったかどうかです。

3. 同じ職種名で1.77倍。差を生むのは「解決できる課題の難易度」

下限512万円と上限904万円で、任される仕事が根本的に違います。差を生んでいるのは技術スタックの新しさでも経験年数でもなく、解決できる課題の難易度です。

下限(512万円)付近

上位者が定義した要件をもとに、詳細設計以降を担当する。仕様は決まっており、成果物の正確さが評価対象になる。

上限(904万円)付近

顧客の業務課題からシステム化の範囲を定義する。非機能要件のトレードオフを判断し、体制と見積りに責任を持つ。

システムエンジニアの下限レンジは「決まっていることを正確に実行する」仕事、上限レンジは「何をすべきかを決め、代替不可能な課題を解く」仕事です。この構造は、2020〜2022年の売り手市場が終わり即戦力の厳選採用へ移行したことで、より鮮明になっています。

自分がレンジのどちら寄りかを確認する

直近1年の業務を思い出しながら、当てはまるものを数えてください。

下限レンジ寄りの働き方

  • ☐要件定義は上位者が行い、自分は詳細設計以降を担当している
  • ☐顧客と話す場面では上位者が同席する。あるいは、そもそも自分は顧客と直接やり取りしない
  • ☐見積りは指示された前提で工数を積み上げる
  • ☐使用する技術や開発体制は決まっている

上限レンジ寄りの働き方

  • ☐顧客の業務課題を聞き、システム化の範囲を自分で提案している
  • ☐性能・可用性・セキュリティといった非機能要件を含めて設計している
  • ☐見積りにリスクを織り込み、その根拠を顧客に説明できる
  • ☐開発体制の設計やベンダーの選定に関わっている
  • ☐担当業界の商習慣や規制を踏まえた提案ができる

右側の項目のうち、非機能要件の検討や、見積りの根拠を自分で組み立てることは、いまの担当範囲のままでも着手できます。一方で顧客への直接提案やベンダー選定は、所属先の商流や契約形態によって関われる範囲が変わります。まずは自分の立場で手を伸ばせるものを1つ選んでください。

SES契約や多重下請け構造では、担当工程そのものを自分で選べない場合があります。この場合、社内で工程を変えるより、商流上の位置が違う会社(元請けや自社開発)に移るほうが、担当範囲が変わる可能性が高くなります。

4. システムエンジニアが上限レンジで評価される仕事

システムエンジニアとして年収を上げるには、詳細設計以降を正確に実行する役割から、要件定義・非機能設計・体制設計といった「何を作るかを決める」役割へと、担当工程を前へ広げていくルートがあります。下の表の各領域でも、単に作業を担当する下限レンジの仕事から、設計や技術選定・全体統括といった上限レンジの仕事まで幅があります。どこまで上流の判断を引き受けられるかが、評価を大きく分けるポイントです。

表3:領域別に見た下限レンジと上限レンジの仕事
領域下限レンジ上限レンジ
要件定義ヒアリング内容を議事録に整理する業務課題からシステム化の範囲そのものを定義する
基本設計指示された方式で設計書を作成する非機能要件のトレードオフを判断し、全体構成を決める
見積り指示された前提で工数を積み上げるリスクを織り込んだ見積りを作り、顧客と合意する
体制・ベンダー管理進捗を確認して報告する体制を設計し、品質基準とレビュー観点を策定する
業務知識担当業務の流れを聞き取り、仕様に落とす業界固有の商習慣・規制を踏まえて、顧客の要望そのものを組み替えて提案する

「大したことない」と思っている経験が該当することがあります

システムエンジニアとして、次のような経験に心当たりはないでしょうか。いずれも上限レンジで評価される要件に該当します。

やっていないのではなく、職務経歴書に書けていないだけというケースは少なくありません。

5. 年収アップのために視野に入れるべき職種

システムエンジニアとして上限904万円を目指すには、より平均年収帯の高い職種へのキャリアチェンジも有効なルートです。システムエンジニアの知見を活かせる高年収職種を狙うアプローチは、同職種内で上流を目指すのと並び、再現性の高い年収アップ戦略になります。

表4:システムエンジニアからのキャリアパスと提示年収(単位:万円)
職種下限平均上限平均の差
プロジェクトマネージャー636865.51,095+157.5
プロダクトマネージャー(PdM)6348421,050+134
プロジェクトリーダー587760.5934+52.5
システムエンジニア512708904—

出典:Direct type独自調査「2026年上半期 ITエンジニア職種別 求人提示年収」(typeブランドが保有するITエンジニア求人データ数万件規模を独自集計/2026年6月調べ)。求人票の提示中央値の下限・上限を算出。

例えば、プロジェクトマネージャーへのキャリアシフトは最も平均年収の伸び幅が大きく(+157.5万円)、有効な選択肢といえるでしょう。ただし注意したいのは、プロジェクトリーダーの下限(587万円)がシステムエンジニアの平均(708万円)を下回るなど、下限リスクも存在する点です。肩書きだけを求めても確実に年収が上がるとは限りません。評価の本質は役職名ではなく、要件定義や見積もりといった「上流の責任」を実質的にどこまで負っているかにあります。またプロダクトマネージャーは、顧客の要件を満たすことではなく、事業として何を作るかを決める職種です。受託開発のシステムエンジニアからの移行では、この評価軸の違いが実際の壁になります。

6. システムエンジニアの将来性とAIによる代替

AI活用が進んでも、システムエンジニアという職種がなくなるわけではありません。ただし業務単位でAIの浸透度は大きく異なります。そして作業時間が大きく圧縮されている業務は、提示年収の下限レンジの仕事とほぼ一致します。

表5:業務別に見たAIの浸透度
AIによって作業時間が大きく圧縮されている業務AIに任せきれない業務
詳細設計書の作成
テスト仕様書の作成
進捗報告資料の作成
定型的な仕様変更の影響範囲の洗い出しと、修正案の作成
既存ドキュメントの読解と要約
業務課題のヒアリングと要件定義
非機能要件のトレードオフ判断
顧客との合意形成と利害調整
リスクを織り込んだ見積り
ベンダーコントロールと品質基準の策定

左の列は下限レンジの業務、右の列は上限レンジの業務とほぼ一致します。システムエンジニアの場合、ドキュメント作成の比重が高い働き方ほどAIによる時間圧縮の影響を受けやすく、顧客との合意形成や業務知識を要する領域は圧縮されにくい構造です。

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この記事のまとめ

  • ・求人提示年収は下限512万円・平均708万円・上限904万円。開きは1.77倍
  • ・上流を担う職種ほど下限そのものが高い。上流へ移ることはレンジ自体を移すこと
  • ・年代別では25〜29歳→30〜34歳の伸びが最大。45歳以降で鈍化する
  • ・上限レンジの仕事は要件定義・非機能要件・見積り・体制設計
  • ・PMへの移行で+157.5万円。ただし肩書きより担う責任が重要
  • ・ドキュメント作成中心の働き方ほどAI代替の影響を受けやすい

システムエンジニアの年収に関するよくある質問

Q

システムエンジニアの平均年収はいくらですか?

+
A

Direct type独自調査では、システムエンジニアの求人提示年収は平均708万円(下限512万円〜上限904万円)で、25職種中16位です。他の調査では400万円台から750万円台まで数字が大きく異なりますが、これは「システムエンジニア」が公的統計上2つの職種区分にまたがっているためです。

Q

システムエンジニアの年収は経験年数でどのくらい上がりますか?

+
A

情報通信業全体の統計では、25〜29歳の月28万7,700円から30〜34歳の月34万9,800円へ、月6万2,100円の伸びが最も大きくなります(厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査・所定内給与額)。一方45〜49歳から50〜54歳の伸びは月1万700円まで鈍化します。この時期に差がつくのは、上流工程の責任をどこまで担っているかです。

Q

システムエンジニアとバックエンドエンジニアはどちらが年収が高いですか?

+
A

求人提示年収ではバックエンドエンジニア(平均784万円)がシステムエンジニア(708万円)を76万円上回ります。ただし下限は504万円と512万円でほぼ同じです。差が大きいのは上限で、バックエンドの1,064万円に対しシステムエンジニアは904万円です。

Q

システムエンジニアが年収を上げるには何をすればいいですか?

+
A

上流工程の責任を1つ引き受けることです。顧客へのヒアリングに同席して業務課題を整理する、非機能要件の検討に加わる、見積りの前提条件を自分で置いてみる。いずれも現職のまま着手できます。詳細設計以降だけを担当し続けると、提示年収は下限寄りにとどまりやすくなります。

Q

システムエンジニアからプロジェクトマネージャーになると年収は上がりますか?

+
A

Direct type独自調査では、プロジェクトマネージャーの平均提示年収は865.5万円で、システムエンジニア(708万円)を157.5万円上回ります。ただしプロジェクトリーダーの下限587万円は、システムエンジニアの平均708万円より低い水準です。肩書きが上がれば必ず年収も上がるわけではなく、担う責任の範囲が問われます。

Q

システムエンジニアはAIに代替されますか?

+
A

業務単位で分かれます。詳細設計書やテスト仕様書の作成、進捗報告資料の作成は代替が進んでいます。一方、業務課題のヒアリングと要件定義、非機能要件のトレードオフ判断、顧客との合意形成は代替されにくい領域です。ドキュメント作成の比重が高い働き方ほど、影響を受けやすくなります。

Q

SES企業のシステムエンジニアでも年収は上がりますか?

+
A

配属される工程によります。詳細設計以降やテスト工程が中心の配属が続く場合、上流工程の経験を積みにくく、提示年収は下限寄りにとどまりやすくなります。要件定義や顧客折衝に関われる案件へ配属されているかどうかが分岐点です。

Q

未経験からシステムエンジニアになれますか?

+
A

他のITエンジニア職種と比べると入口は広い傾向にあります。ただし2026年の市場は即戦力の厳選採用へ移行しており、入社後にどの工程を担当するかが、その後の年収を大きく左右します。

Q

社内SEとシステムエンジニアはどちらが年収が高いですか?

+
A

Direct type独自調査では、社内SEの平均提示年収は829.5万円で、システムエンジニア(708万円)を121.5万円上回ります。ただし社内SEは下限623万円・上限1,036万円とレンジの幅が広く、ヘルプデスク中心のポジションとDX内製化を推進するポジションで内容が大きく異なります。

Q

システムエンジニアで年収1,000万円は可能ですか?

+
A

システムエンジニアという職種のまま求人に応募する限り、求人票の上限は904万円のため届きにくいのが実情です。Direct typeの調査で上限が1,000万円を超えるのは25職種中10職種で、システムエンジニアは含まれていません。プロジェクトマネージャー(上限1,095万円)や社内SE(上限1,036万円)へ役割を広げるルートが現実的です。

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